誘導旗の正しい振り方と合図の意味を解説

交通誘導警備員にとって、誘導旗は毎日使う基本的な道具です。 しかし「正しく使えているか」と問われると、意外と曖昧な方も多いのではないでしょうか。 本記事では、誘導旗の種類から各合図の正しい方法まで、現場で即役立つ知識をまとめました。

誘導旗の種類と使い分け

交通誘導警備で使用する合図具には主に以下の3種類があります。

① 赤旗(停止旗)

赤色の旗で、主に「停止」の合図に使います。 ドライバーに対して「止まってください」の意思を伝える際に、 車両の進行方向に向けて体の前に掲げます。 赤という色が本能的に「止まれ」を連想させるため、視認性・伝達力が高い道具です。

② 白旗(進行旗)

白色または黄色の旗で、主に「進行可」の合図に使います。 停止していた車両を安全に通過させる際に使用します。 旗を進行方向に向けて振り、安全に進んでよいことを示します。

③ 誘導棒(赤色灯・LED灯)

夜間や雨天時など、視認性が低下する場面で活用します。 昼間は赤旗・白旗が主役ですが、薄暮時以降は誘導棒に切り替えることで ドライバーへの視認性が格段に向上します。 点灯させて使うものと、振り方によって合図を変えるものがあります。

法令上の規定では旗の色・大きさについて細かく定められており、警備業務における合図の標準的な方法は各都道府県警察や業界団体のガイドラインに準拠します。会社ごとの教育内容も確認しましょう。

基本の合図:停止(止まれ)

停止の合図は、誘導員の中でも最も重要な合図の一つです。

赤旗による停止合図(昼間)

  • 赤旗を持つ腕を肩の高さまで横に上げ、体の前に掲げる
  • 旗を車両の正面に向け、ドライバーの目線に収まるよう保つ
  • 体全体で「止まれ」の意思を示すため、正面を向いて立つ
  • 車両が完全に停止するまで合図を続ける
  • 視線は必ずドライバーに向け、アイコンタクトを取る

誘導棒による停止合図(夜間)

  • 点灯させた誘導棒を頭上に垂直に上げる
  • または体の前に横一文字に保つ
  • 振り回したり揺らしたりしない(誤解の原因になる)
停止合図は曖昧に出してはいけません。「止まれ」か「進め」かをドライバーが迷う合図は最も危険です。停止なら停止、進行なら進行と、明確に区別できる合図を心がけましょう。

基本の合図:進行(どうぞ)

停止していた車両を安全に通過させる合図です。必ず安全確認を行ってから出します。

白旗による進行合図(昼間)

  • 白旗を持つ腕を、車両の進行方向に向けて大きく振る
  • 旗は進行方向に流れるよう、肘から先を使って振る
  • 腕を大きく前方に振り出し、「こちらへどうぞ」の動作を示す
  • 車両が通過し始めたら、通過完了まで誘導を続ける

誘導棒による進行合図(夜間)

  • 誘導棒を進行方向に向けて大きく円を描くように振る
  • または進行方向に向けてゆっくり前後に振る

注意合図とスロー(徐行)

完全な停止ではなく、徐行してほしい場合や注意を促したい場合の合図です。

  • 旗または誘導棒を体の前で上下に小さく振る
  • 「ゆっくり来てください」と口頭でも伝える(距離が近い場合)
  • 白旗を片手に持ち、もう片手でゆっくり「手のひらを下に向けて押さえる」動作をする

誘導の流れ:片側交互通行の場合

最もよく行われる片側交互通行では、A地点とB地点に1名ずつ配置し、 無線で連絡しながら交互に通過させます。

  1. A側:車両を停止させ、B側に「通過OK?」と無線で確認
  2. B側:安全確認後「OKです」と返答し、自分側の車両は停止を維持
  3. A側:白旗で進行合図を出し、A側の車両を通過させる
  4. A側:最後尾の車両が通過したら「通過完了」とB側に無線連絡
  5. B側:B側の車両を進行させる
  6. これを交互に繰り返す
無線連絡なく独断で判断するのは最も危険な行為です。必ず対向側の誘導員と確認を取り合ってから進行合図を出しましょう。

合図をきれいに見せるコツ

正確な合図はもちろんですが、見た目のきれいさも信頼感につながります。

  • 腕を伸ばしきって旗を大きく見せる
  • 姿勢を正し、キビキビとした動作を心がける
  • 旗が地面についたり、だらりと垂れたりしないよう注意
  • 合図の途中でスマートフォンを触ったり、よそ見をしない

まとめ

誘導旗は単なる道具ではなく、ドライバーとのコミュニケーションツールです。 正確で分かりやすい合図を出すことが、現場の安全を守る第一歩です。 日々の業務で意識的に練習し、より質の高い誘導を目指しましょう。

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